コラム

2018/04/09 キャリアコンサルタントの能力要件の見直しと今後のキャリアコンサルタント~キャリア自立が進んだ組織と一人ひとりの育成~

キャリアコンサルタントの職域の拡大と共に需要がますます広がることが予想されます。
参考資料 >>> 厚生労働省
 
キャリアコンサルタントが国家資格になり世間的にも知名度が増しつつある現在、厚生労働省からキャリアコンサルタントの力に対する報告がなされました。
この中でも特に私が取り上げたいのは、キャリアコンサルタントの職域が就職支援から、一人ひとりのキャリア自立の観点から職業生活設計を行うものであると報告されたことです。
私は、一人ひとりが自分のことを自分で決めて一歩踏み出せる社会を目指すという思いでキャリアコンサルタントをやっております。
自分を知り、自分でプランを立て、その時その時に応じて変更修正しながら生活をしていく。
キャリア自立の観点から職業生活設計を行っていくというのは、そういうことだと考えています。
 

キャリア自立とは

キャリア自立とは、「一人ひとりが自分の責任と判断で、自分のキャリアプランを作っていくこと」だと考えています。
平たく言えば、「自分の人生を自分で計画して決めていく力を持つこと」と言えるかもしれません。
キャリアコンサルティングの世界であれば、職業生活の上でのキャリアプランのみに目が行きがちですが、そもそも仕事は生活、人生の一部にすぎません。
例えば、同期で入社した人を見まわしてみても、自分と全く同じ人は絶対にみつかりません。
どんなに似た境遇で同質の人がいても、似ているだけで絶対自分とは違います。
同じ職場で同じ地位で同じ賃金を貰っていても、今まで通ってきた道や大事にしてきたものは違います。だから、これからも通る道はそれぞれ変わっていくものだと言えるのです。
 
このようにキャリア自立とは、自分だけの人生を自分で歩いていくことに他なりません。
だからこそ自分でキャリアプランを立てる為には、自分を知る事がまず必要です。
他の誰でもない自分自身の為に、自分に向き合っていくことがキャリア自立において大切なことなのです。
 

キャリア自立が達成された組織とは

キャリア自立が達成された組織とは、多様性が確保された上で一枚岩となっている組織のことだと私は考えています。
ではキャリア自立が進んだことが、なぜ多様性の確保につながるのか?
それは、キャリア自立が社員一人ひとり明確に違ったものであるからです。
同じ学校を出て同じ年齢で同じ性別で・・・などなど、同質のものを探そうと思えばいくらでもでてきます。しかし、環境や価値観など文字や言葉ではとてもまとめられないものをそれぞれ別にもっています。そんな一人ひとりがキャリア自立し仕事に臨むのだから、当然同じ仕事をする場合でも取り組み方や結果の出し方が違います。違って当然です。
そして違うからこそ、そこに価値が生まれるのだと思います。
 
会社をはじめ、組織となると一人ひとりのやり方よりも組織のやり方を徹底するケースが非常に多く感じます。
それ自体は良いも悪いもありません。
ただ、組織の内部で価値の相違が認められないと、ビジネスの上でさらに幅広い顧客の価値観の変化やニーズの変化に柔軟な対応が難しくなるような気がします。
 
キャリア自立が確保された組織は、一人ひとりが自分の価値観を認識し伝えていける組織です。
私はこれができる。私はこれがしたい。価値観を共有する中では、この仕事はAさんに、この仕事はBさんに任せよう、といったように自然と効率化が図られたりしていきます。
このような自然な流れが確保されている組織こそ、一人ひとりの居心地の良さから離職率が下がり、働きたいと思う人が増え、さらに活性化していくのではないでしょうか?
 

キャリア自立した人を育てるには

キャリア自立した人を育てるには、まず組織が変わる必要があると私は考えています。
変わる為に大切なことは、一つには相違思考を持つことです。
どの組織にもその組織なりの風土や文化があると思います。コミュニケーションが円滑、教育が充実していて誰でも即戦力になれる、採用~10年後までのプランが明確など具体的に挙げればきりがありません。
しかし、これらは組織中の一部の考え方であって、一人ひとりの考えとは違います。コミュニケーションが円滑だからといって飲み会は行きたくない人もいますし、マニュアル対応を覚えた後はカスタムしてより良くしたいと考える人もいる。
単にこれを認めることができるというだけで、良い組織に一歩近づくように思います。
若い人の考えがわからないとか、上司の考えがわからないとか合わないとか、よく聞きますが、わからなくていいんです。
今どきの若いものは・・・とか、今の老害どもは・・・とか。そのような発想が出ないように、お互いを認め合える組織が健全なように私は感じます。
 
私はそのために、キャリアコンサルティングの普及を進めています。
自分を理解して貰いたい。もっとわかってよ!!!私のこと。
そんな叫びがそれぞれから聞こえてきます。
キャリアコンサルティングを通して、自分に向き合い、本当にやりたいこと。本当に大事にしていることを自分で発見してください。
その上で、何が不満に感じていて、何が不足しているのかを考えてみましょう。
 
これを進めることで、うわべだけではなく、本当に組織に必要な研修プログラムや組織改革の糸口が見えてきます。
組織は、人で構成されています。
 
 
そしてもう一つは、適切な発信力を養うことだと考えています。
マッチングの現場では、価値観や経験、興味などから仕事を探しますが、その過程で企業のHPをはじめ情報収集をします。
 
・教育体制がしっかりしています。
・有給消化率が高く、ライフワークバランスが確保されています。
・残業が少ないです。
 
などなど、条件面での発信も手厚くされているように思います。
ただ、これを真っ向から信じている人がどれくらいいるでしょうか?
実際、入社してみて全然条件が違うし社風があわないということで辞める方は数多くいます。
ハローワークに出す求人は金がかからないからブラック企業が多いと裏で叫ばれているような中で、社内環境の自己評価はほとんど意味をなしていないと私は考えています。
ただ、本当に残業が少なく、有給消化率も良い企業も、中には数多くあります。
そしてそれがアピールに繋がっていない現状に悔しさを覚えるのです。
 
ですから私は、発信力を強化する為に、国の制度を利用したアピールをしていくことをお勧めします。
制度の認定が下りるには、審査が必要です。審査が下りて初めて、認定企業になれるのです。
 
人は、直接アピールされると反発したくなったりします。
しかし、第三者がワンクッション挟むと、意外とすんなり受け入れられたりするものです。
 
家電を買いに行って、店員に強く勧められたが、勧められるが故に購入には至らなかった。けれど、そして同じ家電を、後日雑誌を見て結局買った。というような経験ありませんか?
人は、一方的に勧められると疑ってかかったりするものです。
そして、第三者からの評価というものはすんなり受け入れられたりするものです。
 
ですから、私は国が認めた企業環境ということでアピールすることをお勧めしています。
例えばユースエール認定制度においては、離職率や残業時間、有給消化率がアピールできます。
ただし認定基準はかなり厳しいです。厳しいからこそ、取ればアピール力に繋がりますし、取り組むことそのものがアピールに繋がると考えています。
 
例えば、
弊社ではユースエール取得を目指しています。
現在、有給消化率と離職率は基準を満たしています。
今は残業時間を抑制に取り組み、社内環境整備に努めています。業務効率化に強い関心がある方、社内環境整備に一緒に取り組める方の応募を歓迎します。
といったような発信も、今後は必要になってくるのではないかと考えています。
 
 
一人ひとりのキャリア自立は、キャリアコンサルティングと環境整備から。
私はそう信じています。
 

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ユースエール認定制度の詳細はこちらから >>>

 

木村 俊夫(きむら としお)

一般社団法人セルフキャリアデザイン協会 理事
株式会社ファサディエ EAP事業部 キャリアコンサルタント

 
キャリアコンサルタント / JCDA認定CDA / ファイナンシャルプランナー
個人情報保護士 / 個人情報保護監査人 / メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種合格
 
プロフィール
1984年生まれ。岡山県出身。
“自分の未来は自分で創る”“自主性を持った人の育成”をテーマに活動中。
フリーランスのキャリアコンサルタントをしております。
若者の就業支援と、受け入れ企業の環境整備に強い関心を持ち活動しています。

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