役職を持っていなくても注意?
Aさんはこれまで同じ教育業界で中学生・高校生に対して実績があり、今回は新しく大学生や第二新卒の方の支援にステップアップするために転職した。
あるオーナー経営の中小企業に非正規の契約社員として入社したAさんの職場には、自分の気に入らない人に対して徹底的に陰口、悪口、仕事の押し付けを行うお局様Bがいた。
一度Bの頼みを断ってからというもの、Aさんは自分が取り組んでいない仕事の失敗まで自分のせいにさせられたり、裏で「使えないやつ。出世できない。契約更新なんてされないだろう」などと陰口をたたかれる。
終業が20分前に近づくと「まだ時間あるじゃないの。これもやっといて。」と、半日以上かけて終わった仕事と同じ量の仕事を、終業までにやるようにと押し付けられる。そして残業をせざるを得なくなったら、「あなたの手際が悪いからできないのよ。」と怒られる。
お局様にはみんな迷惑をしているが、実は経営者が連れてきた人で、辞めさせられたりはできない。相談として上にあげようものなら、注意で済む分さらにひどい仕打ちになって帰ってくる。
パワハラは、「優越的な関係を背景に、業務上必要な範囲を超えた言動で労働者の就業環境を害する」ものとされています。一般的には上司、部下の関係が当てはまりますが、穿破尾後輩といったような関係や、経営者と繋がっているということで職場に大きな影響を与えているという今回のケースも当てはまる可能性があります。
パワハラと評価される可能性の高い行為が数々行われています。
類型として、人事院がパワハラを6類型として発表していますが、その中でも精神的な攻撃や過大な要求に該当するハラスメントが行われていると評価されそうです。
6類型とは、
①肉体的攻撃
②精神的攻撃
③人間関係の切り離し
④過大な要求
⑤過小な要求
⑥個の侵害
の6つとなります。
もちろん、言動が業務上の必要な範囲を超えていなければパワハラとは言えません。しかし今回のケースで言えば、パワハラと声を上げる人がいてもおかしくない状況だったため、事件が起こったように思います。
まず、非正規職員の方の大量退職とハラスメントの訴えが起こりました。一人は、ストレスによる健康被害を訴え、労災の申請をすることとなりました。
そしてある人は、会社を相手取り裁判を起こすということで手続きに入っているのだとか。
Aさんはそんな中、大量退職をする人の一人となりました。
職場を辞めても、次の仕事を探さなくてはならない。でも、少し体を休めたい気持ちもある。とはいえ家族を養うためには収入を得ていかなくてはいかない。もう二度と、ハラスメントで悩む会社には入りたくない・・・・。
そんな思いを胸に転職活動に励んでいたようです。
人が足りなくなった分、常に人員の募集を行う必要がでてくるでしょう。
派遣で人を賄う必要も出てくるかもしれません。
新人が入っては辞めていく環境の中では、不必要に人事は仕事が増えて、疲弊していくでしょう。給与の計算だけでなく、面接の手はずを整えて、入社するときには社会保険の手続き、扶養なのがあるならその手続き、研修の実施、日々の仕事が減りません。そして1か月で辞めるなら、また手続きが必要です。
労災の認定が行われると、会社に調査も入ります。
裁判が行われるとなったらどうなるでしょう。判決が出ると、公示されます。公示されるということは、ハラスメントで訴えられ、敗訴した会社であると裁判所が世間に公表するような形でペナルティが課せられます。
そして現在バカにできないのがSNSの発信力です。悪い噂がバズると、とても速いペースで拡散してしまいます。
噂は想像で広がってしまいます。本来以上の悪評が立つ可能性だってあるのではないでしょうか。
一つは、経営層がハラスメントの意識を変え、トップダウンでメンバーに展開することです。
ハラスメント対策は、メンバーにだけ、管理職にだけ研修を入れても効果は薄いです。経営者が自社を変えるためにコミットしていく。この姿勢が大きな意味をもってきます。
トップのコミットメントがあったうえで、全社員に向けて研修を行うケースが多いように思います。私たちが担当する場合も、それは変わりません。ハラスメントを知る。知ったうえでメンバーと対等に関わる。そして貢献し続けたい組織を作っていくという流れでハラスメントについてお伝えしています。
また、ハラスメント対策として映像研修の作成にも携わったりしています。非正規の方であっても入社時にはハラスメント対策でビデオの市長を義務づけている企業もありますし、職場復帰の方対象にしたハラスメント研修を行うなど、全社を挙げて取り組むという方法が有効なように思います。
パワハラは、行っている人が一概に悪いといえるものではありません。
今までのその人の経験や価値観、成果を出してきた過程はとても大切なものです。
ただ、世の中の考え方が変わっていっているのも事実なのです。
変わらぬ成果を上げるために、自ら変わり続ける。そんな姿勢をメンバー全員が持ち続けるために、今パワハラ撲滅に取り組む必要があるのです。
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