職場のホンネ分析隊

引き抜いて三ヶ月。パワハラで辞めたネイリスト【職場のホンネ分析隊シリーズ3】

【職場のホンネ分析隊】
こんにちは。キャリアコンサルタントの木村です。
面談の場では職場では言えない数々のホンネが語られてきます。
この記事では、面談を通して得た働き続けたくなる職場作りのヒントをお伝えしています。
その中の一部をご紹介するとともに、より良い職場改善に繋げていって欲しいとの思いからこのコラムを配信しています。
※クライアントの了解を得た上で、かつプライバシーに最大限に配慮しています。
【今回のクライアント】】20代後半女性(役職なし)

「正直イラつきますねー。前の会社の対応は…」
電話越しでも分かるくらい、語気を強めて彼女は言った。
「前の会社は、引き抜きで入ったんです」
「引き抜き、というとヘッドハンティング的な感じで?」
「んー、そうなんでしょうか。ヘッドハンティングというよりは、コネ入社みたいな感じでしたけどね。引き抜かれる前の会社で知り合った方が“是非”って勧めてくれたんです」
コネ入社と表現する様子は、どこか溜息が混じったような雰囲気だった。
だが、 “是非”入社してほしいと言われたという彼女は、どこか満足気な語り口でもあった。

「前の会社で知り合った方に…紹介してもらったんですね。どうして紹介してもらえることになったんですか?」
「ああ私、もともといたとこもネイルサロンで。ネイルの仕事がとても好きで。ネイルっていうかお客様に対することが好きだったのかな?とにかく仕事が好きだったんですよ。負けず嫌いなとこもあって、頑張ってたらそのお店で新人賞を取ったんです。」
快晴の青空から日が差すような明るい声。
「新人賞?とても頑張られたんですね。とってもすごいですね!」
思わず、私もうれしくなった。

「良く言われるんですが、自分じゃそこまでだと思ってなくて…店舗も小さいですしね。もっと私はうまくなりたいんです。練習あるのみ!って今も思ってますけど」
「もっとすごい技術を身に着けたいって感じですか?」
「んー…技術もそうですけど、お客様の要望に答え続けたいんです。新人賞も、前の会社のお客様が主に若い子だったから、友達と話すような接客でも大丈夫で、評価してもらえたってところがあると思うんです。でも、それだけじゃだめだなって思っていて、そんな時に是非入社してほしいって声をかけてもらえたんですよ」

「声をかけてもらえた時、どんな思いでした?」
「あ、そういうのもありだなって思いました。うれしかったですね」

「でも、蓋を開けてみると裏切られることになった…と」
「はい。本当にあり得なかったと思います。店舗に慣れる為って言って、ずっと雑用ですよ。店舗の掃除とか、器具の消毒とか、ジェル素材の点検とか、ファイルの在庫の確認とか、予約メールの対応とか…。入った当初は大事なことだし進んでやってました。でも、お客様と話もさせてもらえないし、ネイルの仕事もさせてもらえない、せめてオフの仕事だけでもやらせてくれって言ったら、“新人賞取ったのかもしれないけど調子に乗るな”みたいなことをみんなの前で言われてしまって結局ダメでした。声をかけてくれた人にも話はしたけど、店舗は店舗で独立してるから、声はかけるけどそれ以上は難しいって言われてしまって」
「それで、転職ですか」
「はい、ネイルの仕事には戻りたいっていう思いはあるけど、今の事務職も気に入ってるんですよね。なんかまた同じ目にあったりしても嫌ですし、そんな会社ばかりじゃないっていうのはわかってるんですけど。今は友達のネイルを手伝っているだけだけど、満足してます」

戻りたいっていう思いがあると言いながら、彼女の言葉は軽かった。
新人賞を取ったと語った時のような力強さはどこにもなかった。
今に満足しているという彼女の声からは、ネイリストとしてのキャリアを歩むことはないという強い意志を感じた。

彼女の職場に、なぜパワハラ対策がなかったのだろう。
それさえできていれば、離職はしなかったんじゃないだろうか。
知ってさえいれば、今回の彼女のケースは、厚労省が定義するパワハラ6類型で言うところの「過小な要求」や「人間関係の切り離し」に当たり、パワハラとして処理される可能性が高いと判断できたんじゃないだろうか。

働きやすい職場を作ることは、業界を盛り上げることでもあるように私は思います。
それは、会社を離れても、業界に残ってくれていれば、業界自体は盛り上がるからです。
A店で修業を積んだ人が、B店で活躍し、自店を持つ。
こうして業界に広がりが出てくるという面もあるのではないでしょうか。
ですが、一度業界から離れてしまうと、もうどうしようもありません。
あなたは、パワハラを受けて離れた業界に戻りたいと思えますか?

人である以上、常に好き嫌いは出てしまうのは仕方がありません。
それでも、職場の中では一緒に成果を出していかなくてはなりません。
嫌いな人を好きになることはしなくてもいいし、できなくて当たり前。
ただ、嫌いと感じる人とうまくやる為の処方箋は色々あるのではないでしょうか。
その一つの大きなきっかけとして、職場全体でパワハラに対しての理解を深めていくことが有効であるように私は思います。

 
 


当法人は2020年4月1日から、
厚生労働大臣指定 国家資格キャリアコンサルタント更新講習の
指定機関に認定されました。

 

国家資格キャリアコンサルタント更新講習


 

お問合せはこちら >>>

一般社団法人セルフキャリアデザイン協会の活動、サービスのご紹介

国家資格キャリアコンサルタント更新講習
国家資格キャリアコンサルタント試験 ~実技試験対策~
キャリアコンサルティング
ハラスメント
各種企業向け研修(教育)
アセスメント(診断)体験
職業興味検査
セルフ・キャリアドック普及活動
ストレスチェックサービス
ユースエール認定制度普及活動
労働基準関係法令違反に係る公表事案企業検索サイト
優良企業検索サイト

 

国家資格キャリアコンサルタント更新講習

キャリアコンサルタントの登録を継続するためには5年ごとに更新を受けることが必要となります。
更新を受けるためには、厚生労働大臣の指定を受けた知識講習及び技能講習の講習を受ける必要があります。
一般社団法人セルフキャリアデザイン協会は国家資格キャリアコンサルタント更新講習の指定機関です。

国家資格キャリアコンサルタント更新講習