子どもの頃なりたかったお仕事を覚えているでしょうか?
今回は日本FP協会の主催で行われている小学生の「将来なりたい職業」集計結果からキャリアを紐解いてみようと思います。
この集計は、小学生の「夢をかなえる」作文コンクールからの集計です。100を超える様々なお仕事を、今回はTOP10としてグラフ化してみました。
FP=ファイナンシャルプランナーは、自分の人生を経済的な面から見つめ、夢に目標に変えて、その達成を支援するお仕事です。
家を建てる、子どもの進学に備える、将来独立を夢見ている等、自分の人生には様々なイベントがあります。これらのイベントには、必ずお金がかかります。その時に適切な対処ができるように、金銭面からの計画を立てることができるのがファイナンシャルプランナーです。
キャリアコンサルタントは、仕事という側面から価値観や強み弱みを共有し、一人ひとりが自分の人生をデザインする為のお手伝いをしています。上の例でお伝えするなら、家を建てることや子どもの進学、独立という夢を叶えるといった人生のイベントそのものの計画をご一緒に立てています。
計画が絵空事で終わらせないように、FPさんとともに人生をデザインしていっています。
アメリカのホランドの理論を元にした、職業興味の6領域です。
日本でも、仕事への興味の指標としてアセスメントの中で使われています。
R型(現実的タイプ) | 道具を扱うこと/物を作ることに興味があるタイプ |
I型(研究的タイプ) | 一人でコツコツと一つのことに深く向き合うタイプ |
A型(芸術的タイプ) | 表現すること/新しいものを創りだすことが好きなタイプ |
S型(社会的タイプ) | 人に教える/援助することに興味があるタイプ |
E型(企業的タイプ) | チームで何かを達成させることを好むタイプ |
C型(慣習的タイプ) | 既にあるルール等を効率的に運用することが好きなタイプ |
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男の子
一番企業的領域が多いという特徴がみられます。
企業的というのは、サラリーマンとして働くというイメージではなく、チームを引っ張るリーダーとしての活動だったり、チームで目標を達成しよう!という活動のことを言います。
ただ、この領域で選ばれているのはスポーツ選手や監督というものだけです。スポーツ選手や監督は、チームで目標に向かって頑張っていくお仕事の中でもとてもイメージがしやすい職業のようです。他にも、地域のスポーツチームに入っていて、スポーツに慣れ親しんでいることや、活躍している選手を見て自分も将来そうなりたい!と、ロールモデルにしていることも影響しているかもしれませんね。
企業的領域は、他にも会社の社長さんや、お店の店長さん、新聞記者なども当てはまります。
日々の生活の中では触れにくい方々かもしれないですけれど、機会を見つけてお話してみるのも将来が広がる気がします。
もう一つ特徴的なのは、男の子の6位「ユーチューバー」です。同じ芸術的分野である仕事の中に、これまでには漫画家という職業がありましたが、ランクを落とし、代わりに入賞しているような特徴を持ちます。
スマートフォンやインターネットの普及で、暮らしの中に個人作成の動画というコンテンツが一般的になってきた社会背景もありそうです。
私が、キャリアコンサルタントとしてみなさんに考えていただきたいのは、「ユーチューバー」という職業は、20年前には存在したのかということです。少なくとも20年前に私が小学生だったころはありませんでした。今の世の中で技術の進歩、社会の変化によって新しく出てきた職業に小学生はついていこうとしています。私たち大人は、新しく出る職業や仕事についていけているでしょうか。将来を担う子どもたちを見守り、育て、自分で人生をデザインしていけるように育てるためにも、「新しくできてくる仕事」についても、ともに学び続ける必要があるように私は感じています。
女の子
女の子は社会的分野である仕事に強い興味を示しているところが特徴的です。
社会的興味とは、「人に何かをしてあげたい」というお仕事への興味を言います。
そして、看護師、医師、美容師、保育士など、社会的分野の仕事が様々入っているのもとても印象深い結果となっています。
特に、医師については、男の子も同程度の興味としてランクインしています。直接聞ける機会は乏しいかもしれませんが、女の子と男の子がそれぞれどういう点で憧れを持つのか伺ってみるのもキャリアを考える上では有効です。
例えば、男の子はお医者さんはカッコイイと思っているかもしれませんが、女の子は優しく助けてくれると思っているかもしれません。
そんな些細な違いが、多様性に富んだ一人の職業人として、将来成長させてくれるように思います。
2017年の興味の結果を見てわかる全体的な特徴としては、普段触れている職業に興味が向いているといえます。逆に言えば、触れたことのない職業には興味を示しようがないとも言えます。少子高齢化が進展していく中で、私たち大人がしている仕事を、子どもにイメージしやすいように伝えていく活動も、学校の職業体験などのキャリア授業の他にも導入する必要があるでしょう。
私たちはアニメや漫画、報道ももちろんですが、生活している中で様々な職業人に触れています。例えば、もしかしたら将棋の藤井棋士の影響で、将棋の棋士になりたいという子も今年は増えるのかもしれません。
仕事とは、人生であり生活です。将来何をして暮らすのかに他なりません。これからは、普段の生活の中だけでは賄いきれない職業の数々を、経験するような機会を確保していくことも大切であることを、子どもたちは教えてくれています。
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