計画的偶発性の自己怪事
【第23回:若年層支援の礎】
「1級キャリアコンサルティング技能士の大井宗太郎が人生を振返る中で見つけたキャリアサンプル」を不定期にお届けするコラムです。
娘を支えながら、支援の実態を学んだ。家庭から見えた“学校の闇”と“希望”。
前回書いた通り、娘の特性に起因するトラブルから小中高大学、全てで呼び出しを受けました。その都度、私は妻と学校に出向き、今、娘は学校でどんな思いを抱えて、何に困って、生活しているのか、知ることができました。娘とも良く話し合いました。自分の特性、特徴、個性だからそのままでいい。でも自分の感情をコントロールする努力、相手の気持ちを考える努力は伝えました。今では、全く問題ありません。実に素直に育ってくれました。
小学校でいじめに合い、地元の中学には行きたくないと自ら受験宣言。猛勉強しました。私が専属家庭教師です。第二希望の中高一貫の女子校でしたが、最悪でした。ここでもいじめに合い、高一の一学期に保健室登校に。また、この学校でいじめでの自殺者が出て、最悪の対応を目の当たりにしました。転校しかないのですが、一年生の夏休みでの転校がいかに大変かこの時初めて知りました。チャレンジ校という都立の昼間定時制が、二学期からの編入募集をするのですが、これしか転校の手段がありません。面接対策や支援をしてくれるNPO法人を見つけ、通わせましたが、ここのカウンセラーが娘を追い込み、もう行きたくない。窮地に。潰れそうな娘を潰してどうするんだ!私もカウンセラーだったので、娘の特性も理解しないで追い込むカウンセリングにクレームいれました。
無事に転校はできましたが、トラブルや問題を抱えた生徒が圧倒的に多く、娘はここでもトラブルの渦中に。娘の友達は、実に個性的な面々でした。彼氏もできましたが、これまた問題児でした。担任の先生は実に熱心で、生徒一人ひとりとしっかり向き合い、私も感謝の気持ちで一杯です。そして大学進学。娘は絶対受験はしないと言い、私もその学力があるとは思っていませんからAO入試で家から短時間で通える大学を中心に10校ほどオープンキャンパス巡りです。その中から、ここだという大学のオープンキャンパスに娘を連れて行きました。もうこの頃は担当教授とも顔見知りになっていたので、娘を紹介、娘もこの大学を気に入り、AO入試で合格できました。
こうした親バカな娘への寄り添いによって、中高大学の抱える闇とか、入退学の仕組み、不登校問題、NPOなどの支援団体、いじめ問題、家庭環境からくる様々なトラブル、先生方の苦労などCCとしての視野拡大になりました。娘のお陰で学べました。娘に感謝です。
因みにその中高一貫校は、100年以上続いたセーラー服は絶対に変えないと言ってましたが、事件後、校名も制服もあっさりと一新されました。
筆者プロフィール
