計画的偶発性の自己怪事
【第25回:人生の師】

「1級キャリアコンサルティング技能士の大井宗太郎が人生を振返る中で見つけたキャリアサンプル」を不定期にお届けするコラムです。
説教してくれる人がいる。それだけで人生はどれほど豊かになることか。
 I氏は、元プロ野球選手。私が学生時代、東日本学生ゴルフ同好会連盟の副委員長を務めていた縁で、世話役だったI氏と出会いました。当時は高田馬場にあるゴルフショップの店長で、W大生のメンバーは皆お世話になった溜り場的ショップでした。

 I氏には学生時代から毎週のように飲みに連れていかれました。I氏が現役選手だった頃からの馴染みの店。朝まで飲んでも一切学生に負担させません。身銭を切って、我々に人生を語ってくれました。「お前らが俺の歳になったら、若い奴らにご馳走してやれ、それが恩返しだ」この言葉通り、私も十分恩返ししてきました。多分。

I氏からは沢山の人生訓を学びました。波乱万丈の人生を送られているI氏の話は、驚くような裏話や今では有り得ない理不尽な話など話題に尽きず、45年のお付き合いは継続中。最近は私に対する説教はなくなり寂しい限りですが、説教をしてくれる人生の師が私にはいる、このことは最高の贅沢です。

I氏には愛がある。説教も愛があるから受け止められます。口が悪く、ディスられても愛があるから笑って受け止めます。最近の口癖は、「大井の奥さんは最高だね。なかなかいないよ」皆の前で言われると照れくさいですが、鼻が高い。

60年も生きていれば、誰でも波乱やいざこざ、ストレスフルなことは多々あったと思います。それを誰かに人生の襞として伝えていますか?キャリコン的には、人生の危機。これが多いほど、人の話を受容的に聴けるでしょうが、伝えることも大切ですね。中々その機会はありません。私は誰かの人生の師になれたでしょうか?まだこれからなれるのでしょうか?皆さんにも人生の師、と呼べる方はいますか?

今の私はI氏の説教で出来上がっていると言っても過言ではありません。説教してくれる人がいて幸せでした。I氏に感謝です。ありがとうございます。長生きしてください。飲みましょう。

筆者プロフィール

筆者:大井 宗太郎
Sotaro Oi

1級キャリアコンサルティング技能士

大井宗太郎が担当する講習

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