計画的偶発性の自己怪事
【第12回:K君とY君】

「1級キャリアコンサルティング技能士の大井宗太郎が人生を振返る中で見つけたキャリアサンプル」を不定期にお届けするコラムです。
当事者のことは当事者にしか分からない。K君とY君が教えてくれたこと。
 K君もY君も障碍者です。
 K君とは、小中高と同級生。T高校で私はバスケ、K君はラグビーをしていました。大学でもラグビーをしていたK君、ラグビー中の事故で半身不随、車椅子での生活、左手も不自由な状態に。衝撃でした。小中高と学び、遊び、楽しい時間を共有したK君にどう声をかければ良いのか、どう接すればよいのか・・・ 20歳そこそこの私には皆目見当もつきませんでした。大学は違っていたので、会うこともなく社会人に。就職した、車を運転して通勤している、その後結婚した、電話や年賀状で知ることとなりましたが、「凄い!」の一言しか思いつきません。40数年の中で、1度だけ同窓会で会いましたが、それ以外は年賀状だけの付き合いです。いつもK君は渋谷の近況に興味を持って、書き添えてくれています。私は、コメントなしの年賀状。何でそれまでと同じように接すること、話をすることができなかったのか。後悔だけです。労わる、同情する、慰める、そんなことしか思いつかなかった私はただの馬鹿です。K君ごめんなさい。私は阿呆でした。

 Y君は大学は違えど、ゴルフの連盟役員としてともに切磋琢磨した大親友です。Y君のコミュニケーション能力、リーダーシップ、人間関係構築力、思いやりや気遣い、周囲を巻き込むエネルギー、ユーモアのセンスは私にはない天才的なもので、一緒にいる(飲んでる時が一番)時が兎に角楽しい。そんなY君が病気で歩行困難に。衝撃でした。大好きなゴルフができなくなるのか・・・ 杞憂でした。相当なトレーニングをしたようですが、クラッチ杖2本でフェアウェー歩いて、今でも一緒にゴルフをします。Y君にスコアで勝てません。先日88対88のタイスコアであと一歩でした。いつかY君に勝つのがゴルフの目標です。Y君が良く口にするのが、「不自由じゃない、不便なだけ」 Y君から学んだことがいかに多いことか。Y君と出会えて良かった。本当にありがとう。

 当事者のことは当事者にしか分からない。勝手に想像することがいかに意味がないか。クライエントのことはクライエントにしか分からない。だから尋ねるしかない。

筆者プロフィール

筆者:大井 宗太郎
Sotaro Oi

1級キャリアコンサルティング技能士

大井宗太郎が担当する講習

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